夢を模索する限界オタクNsの日常

病院やめたてしゃあない私の些細なようで突拍子もない日常のあれこれ

【ICL治療】【眼内コンタクトレンズ】 前半:ド近眼メガネにサヨナラを。

はじめまして。突然ですが、もうすぐICL手術を受けます。この体験が、高度近視で悩む人の目に止まれば、こんな治療もあるよと知ってもらいたい。また、視力の悪い人間にはこんな苦労があるんだってことを知ってもらえればと思い、ブログに残そうと思いました。

 

 

ド近眼の世界

私が眼鏡なしでは生活でない視力になったのは中2の頃でした。両親も近視なので遺伝の影響は少なからずあると思います(弟の視力は今も1.0以上なのですが……)

眼鏡を使用し始めて以降、視力の低下は著しく、高校生の頃には、度数の強すぎる眼鏡をバカにされ始めコンタクトデビューしました。

看護師になって現在4年経つのですが、初めて夜勤をした時はメガネで出勤しました。

度数の強い眼鏡はレンズが分厚いぶん、重たいんです。患者さんの介護度の高い自部署の夜勤では、その重さがとても邪魔でした。

やはり1番気になるのは外見でした。メガネをかけると自分の目が一回り、いや、二回りは小さくなる。これが高校生の頃からのコンプレックスでした。すぐにメガネで出勤するのをやめました。しばらくして、勤務は3交代制から2交代制に…。一度コンタクトを装着すると、勤務時間が12時間を超えたり、夜勤明けに予定を入れたりすると、ほぼ24時間コンタクトをつけっぱなしにすることなんて多々ありました。これが後に「自殺行為」と言われる事になるのです。

 

 

ICLをしようと思ったきっかけ

 

「運転免許ギリギリですよ、この視力」

 

職場の健康診断でそう言われたのがきっかけでした。

私の職場では、職員健康診断が年に2回あるのですが、各自で検査を受けに行って結果を書いた紙を提出する簡単なものでした。そういえば半年前の検査は病棟が忙しすぎて「これくらいだったでしょ」と適当な視力と聴力を記入して提出したような……。

さらに一人暮らしを始めてから、まともに眼科受診もしてませんでした。

 

眼科外来のスタッフに「こんなに見えてないのに気づかなかったの?」と尋ねられました。

言われてみればたしかに、(看護師をしていますが)モニターに近づかないと心電図の波形は見えないし、ナースコールが鳴っても誰が呼び出してるのか見えない。十分仕事に支障をきたしているではないか…

「慣れてて気づきませんでした…」としか言えず。

慣れって怖いなぁ

 

さすがに運転できないのは田舎人として厳しい。と思い、コンタクトの度数を調整するために近くの眼科へ行きました。

 

ここで医師に言われるのです

 

「コンタクト10時間以上つけるってのは自殺行為よ?」

 

子供の頃、結膜炎になることが何度かあり、今まで1dayタイプしか使ってきませんでした。周りの友達は2weekを2週間以上使うって言うくらいだし。それと比較すれば、1dayを24時間以上使うわけじゃないし大丈夫でしょ。と思っていました。自分で書きながら「本当に医療者か?」と疑いたくなる思考回路ですね。

 

コンタクトをつけるっていうのは、眼に異物を入れているのと同じこと。

つまり眼球を傷つけている→眼の細胞が死んでいく

ということになります。たしかにそう言われると自殺行為って比喩も納得できますね。

 

さんざん医師からお叱りを受けた後、ある提案をされます。

「持病はないし、若いし、やるなら今かなぁ、ICL。どう?

運転免許ギリギリと言われた時から、なんとなく、レーシックとかいいなぁ、なんて頭によぎっていました。

が、レーシックはここまで視力が悪いと適応外と言われ、むしろICLは最適だと。

 

当時、-8.0のコンタクトを両目につけて「運転免許ギリギリの視力」と言われていたのですが

眼科受診をしてコンタクトの度数は-9.5(両目)になりました…

度数ってどこまで上がるんだ??

(-12くらいまでのコンタクトは販売してるみたい)

 

メガネの調整も行ったのですが、なんと3年間調整していなかった眼鏡では、視力0.3しか見えていなかったらしく、早急に作り直しました。

そして出来上がったメガネのレンズ度数が-10.0

レンズがフレームに収まらないのはもはや当たり前・・・

 

医師によると。人の視力っていうのは成人するまでにほとんど確定するようで、よっぽど目が悪いか、眼科疾患があるとか、合併症があるとかでなければ二十歳以降に急激に視力が悪くなることは珍しいそうです。なので今回、ICL検査とは別で眼の精査をしてもらいました。

結果は、異常なし。

高度近視を除いてとても健康的な眼と言われました。

 

「前向きに検討したいと思います」

 

ICLを提案した医師に対して、そう返事しました。

 

ICLを決断するまで

 

即決して「やります」と言えなかったのには理由があります。

 

・保険適応外で治療費が高額

・手術のために休暇が取れるのか問題

・術後のレンズ外れの心配

 

この3点で迷いがあったからです。

ICL治療は保険適応外なので全額自己負担が基本です。

調べると、病院によって金額が異なるようですが、私は両目で約80万円でした。

 

高度近視者はこんなに何も見えない生活をしているのに何故、保険が効かない!?

いつか保険適応になる時代が来るのでしょうか…

しかし、この問題はすぐに自己解決しました。

 

例えば年間のコンタクト代金

(1ヶ月分)¥3,000×2(両目)×12ヶ月=¥72,000

これが将来ずーっと続きます。例えば定年までコンタクトをつけて働くとして(25歳なので)少なくとも200万円はコンタクト代として払い続けるのです。ましてや、高度近視は眼科疾患の危険因子ですので、この間に何が病気に罹り、あとからICL治療をしたいと思っても手遅れになる可能性も考えられます。

 

年間のコンタクト代金、眼鏡の調整費、今後の眼科受診代を考えるとICL治療を受けたほうが将来的にはお得だということです。

若ければ若いほどコスパが良いってわけですね。まぁ今後ICL治療費は安くなるという意見もありますが。

 

次に休暇問題なのですが、後にも述べますが基本的にICLは日帰り手術で翌日からの仕事が許可されています。といってもデスクワーク程度。それに翌日、翌々日にも受診をしないといけないようでした。

手術を受けるか悩んでいた頃、ちょうど新型コロナウイルス感染症の専門病棟で働いていました。短期間限定の勤務だったのですが、第6波で医療崩壊が著しい……ましてや、レンズの発注は長い場合だと3ヶ月かかることがあるらしく…

上司に相談したところ、コロナ病棟配属中に数日まとまった休暇を取るのは無理だとの返事。しかし、移動先の部署の上司がシフトを調整してくれるとのことで、移動してから手術の日程を調整する方向になりました。

デスクワークなら問題ないかと思いますが、身体を動かす仕事なので、眼圧が上がらないかなどの心配があり、受診期間も考慮して手術日を含めた5日間休む事にしました。

 

最後にレンズ外れについてです。

まぁまぁ大きな病院で働いていたので、地域の医師の名前を出せばいろんな噂が耳に入ります。決して良い噂ばかりではないので、これから手術を受けようかと悩んでる私にとっては快いものではありませんでした。上記2点だけに悩んでいたのなら、もう悩みはすぐに解消されて手術を決断したのですが、やはり実費で高額を払うので手術が成功するのかどうかはとても不安でした。このあたりは病院にも確認しましたが、もしリオペになった場合でも金額は自己負担だそうです。80万円の倍…考えただけでも胃が痛い…

 

ただ、レンズが外れる、ズレる。なんてことはめったにないらしく、過去の事例として存在したのは乱視の強い患者のICL治療の症例だそうです。技術的なことは覚えてないのですが、なんせ乱視が強いとレンズの形が特殊になるので外れるリスクも若干上がるんだとか。幸い私は乱視がほとんどなかったのでその辺りはホッとしました。どっちにせよ近所でICLができるクリニックはここしかなかったので、意を決したのです。

 

何より、ずっと憧れていた裸眼生活が手に入るのです。メガネのコンプレックスを抱えることも、コンタクトの煩わしさを感じることもなくなる生活が手に入るかもしれない………!これ以上の理由はありませんでした。

 

こうして私は、次の受診でICL治療を希望する旨を伝えるのでした。

 

 

ICL手術までの流れ

 

「ICL治療を受けたいです!」

そう医師に伝えてからの具体的な流れを説明します。と言っても私が治療を受けた病院の話なので、多少異なるかと思いますが、大体の流れはこんな感じなのではないでしょうか。

 

①頭金を払って適性検査を受ける

②残りの治療費・レンズ代を支払う

③レンズの発注がかかり、手術日程を決める

④手術当日

 

 

①適性検査

ICL治療の適応、発注するレンズの度数やサイズの測定を行います。

これが結構長くて、他の受診患者さんもいるので3時間くらいかかりました。

検査の時に散瞳といって瞳孔を広げる点眼を行うのですが、1回射しただけでは散瞳しないので何分かおきに点眼して散瞳を確認します。

私の病棟でもごくたまに眼科の手術患者さんが入院してきます。術前の散瞳の点眼もしたことあるのですが…

 

散瞳するってしんどい!

 

主科が忙しいのにタイマーかけて何分かおきに点眼しに行くのめっちゃ面倒臭いって思ってたけどみんなこんな気持ち悪かったんだ、ごめんなさい。と今まで対応した眼科患者さんに心の中で謝罪しながらピントの合わない世界を静かに閉じて、名前を呼ばれるのを待ちました。

 

個人差があるみたいですが、散瞳するとピントの調節機能が落ちるのでメガネをかけていても視界は気持ち悪いです。日光が死ぬほど眩しくて目が開けられませんでした。半日くらい経つと元に戻ると言われたのですが、私は丸一日はピントが合いにくかったです。もちろん、散瞳される時は車の運転は禁止です。

 

診察で点眼麻酔を行い、眼の大きさを測定されます。私は「大きいなぁ〜」と言われましたが肝心な測定値を覚えていないんですよね。笑

 

その他は一般的な検査と同じで視力や眼圧などを一通り測定して終わりです。

 

その後、ICL治療の適応であったことが報告されました。かかりつけ医で内科的に手術が可能な健康状態かどうかの全身検査(検体検査・レントゲン・診察)をして問題がなければレンズ発注へ進みます。

 

②③支払いとレンズの発注

私が治療を受けた病院の場合、前述した検査の際に1万円を頭金として支払いました。その後に眼科・内科共に適正であったので残金の振り込みをしました。振り込みを確認してからレンズの発注が開始されました。

この辺りの流れは病院によって違うでしょうね

 

④手術の前に

 

さて、とうとう手術の日です。

 

の前に。手術をするには医師から術前説明を受けます。私は大体2〜3週間前に予約を取って説明を受けましたが、自分の働いている病院はもっと直前(前日〜1週間前)にするので病院によって違ってくるところですね。

手術の概要とか、合併症などの説明を医師から受け、看護師からは手術前後の流れと服装や受付時間などの注意点、術後1週間の生活について説明されました。

術後1週間は保護メガネ(ゴーグル)をかけて生活するのですが、24時間装着です。

日中は耳にかけるタイプ、就寝時はゴムタイプと装着方法が変えられる万能ゴーグルを薦められて購入しました。

進撃の巨人の沼にハマっている私は、ゴムベルトで眼鏡を止めるというのがハンジさん(調査兵団分隊長ハンジ・ゾエ)が壁外調査のときに使っているソレそっくりで内申興奮しており…

とオタクの自分をグッと抑えて申し込み用紙を書いていました…

術後に実物が手に入るのでまた写真を載せますね。

 

看護師さんの説明通りに手術の3日前から1日4回の点眼を開始しました。術前抗菌治療といって、できる限り無菌状態で手術を迎えられるようにするんですね。点眼って結構忘れちゃうんですよね。毎日あんなに大量のお薬と共に生活している患者さんを見習わなくては…

 

さて、手術当日から術後の経過については後のブログでお話ししたいと思います。

 

ありがとう、サヨナラ。いろんな世界を見せてくれたメガネ。(まだ明日の朝も使うけど)